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不定期更新の戯言コーナー。 お暇な方はどうぞ。
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DSCN1774tenji.JPG少し前に水冷エンジンを搭載したバンディット1250に乗る機会がありました。
まあ、バンディットのアクセントの一つが油冷エンジンにあった為、環境適合等を考えると水冷化が手っ取り早いのもわかるのですが、油冷のまま対策は出来なかったのか?GSX1400との棲み分けはどうするのか?などの疑問もあって、バンディットの存続にあまり歓迎的ではなかったのも事実です。

試乗は大栄町にある日本自動車スクールカレッジ(NATS)併設のサーキットにて試乗。

まずはポジション。
今乗っている05’は、シートの高さはともかく、横方向に広がっているのもあって、私の身長(169cm)だと踵が少し浮く程度の足つきですが、これは変わらず。
油冷最終型の06’でモデルチェンジした際、2段調整式のシートが装着されたが、この時どちらに設定されていたのかは不明。
跨ってみた感触、ハンドルポジション、その他の眺めなどは「バンディットそのもの」といえるもので、違和感全くなし。
この点では合格ですね。

いざ発進してみると、油冷の弱点(というほどのものでもないのですが)であった2000rpm付近のトルクの厚みが増していて、極低回転からクラッチ当ててもそつなく発進できてしまうのには驚きました。
これこそ水冷+インジェクションの恩恵によるものですね。
バンに乗る時は、普段は2速で発進しておりまして、この時も2速発進を試みましたが、低速の強さをより体感できました。

コーナーでの寝かしこみやブレーキの利きなども、油冷バンディットとまったく同じ感覚で操作できるので、その点では安心して代替(!?)できると思います。
車重が10kg近く増していますが、同時に排気量も100cc上乗せされているので、旧バンと比べても重ったるく感じることはありませんでした。
そして新たに用意された6速MTも、6速のままコーナー立ち上がったりなど試してみましたが、どうやら完全に高速巡行用のギアのようでして、コーナーもこなすというには至りませんでした。
最も、ギア比を見ると2速~6速までがクロスしていて、リアスプロケットの歯数も変わってしまっているので、ギアの使い方に関しては、旧型同様とはいかないようです。
とは言え、扱いづらいというわけでは断じてありません。
油冷も3000rpm程度も回しておけば、5速に入れっぱなしで、完全停止さえしなければオートマ感覚で走れますが、水冷も4速か5速あたりに入れておけば、何とかなるんではないでしょうか。今回の試乗ではその辺は試せませんでした。

乗ってみて思ったのは、きちんと”バンディットしている”所ですね。
街乗り、峠、サーキットと、オールラウンドに走れて、そんな”良い所取り”な八方美人な性格だと、一歩間違えれば「中途半端」ともなってしまいますが、そうはならずに高次元でバランスさせている・・・それが”バンディット”の美点だと私は思っています。
そんなオールラウンダー振りにより磨きをかけて、更に扱いやすくなった、そんな印象を受けました。

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1171295973247.jpgうーん、ヤバイ。
先日、これを運転させてもらって以来、頭から離れなくなってます(^-^;
http://namimorijonny.blog.shinobi.jp/Entry/55/
元々興味はあったのですが、いざ乗ってみて、良いバイクってのは当然ながらも、自分の趣向や使い方に驚くほどマッチしていたのが衝撃的だったのです。
こういう尖がったタイプの車種って、もうちょっと乗りにくいか、普通に流して走っているだけではひたすら無味無臭か?ってのが定説と思っていたのですが、このバイクはそんなことは皆無で、どのように走っても感動できる、ということに驚かされました。
感動するほど良いバイクって、ホンダのCB1300SF以来だったのですが、隼はそれ以上・・・かもしれません。
正直これ乗った後で、バンディットに戻れるのか?と心配したのですが、バンディットはバンディット、隼は隼と、まるで違うバイクのため、変な気分になったりすることはありませんでした。
なぜそうなるかは解りませんが、バンディットはスタンダードな2輪といった乗り味なのに対して、隼は2輪だけども、従来の”2輪”という概念から一歩進んだ、「2輪だけどもバイクにあらず」といった印象でした。
まあ、バンディットと比べれば、ポジションも違うし、エンジンも別物、フレームもアルミ合金製・・・と、タイヤが2つあることとスズキのバイクであるということ以外、共通点はありません。
車・バイクマニアで有名な、俳優の大鶴義丹氏はこの隼とGSF1200(※)をお持ちとのことで、最初は「いくら好きだからっつって、リッターバイク2台も持ってどーすんだか」と思いましたが、今なら彼の気持ちが解ります(^-^;
しかし隼とGSFってラインナップは・・・どう見ても鈴菌患者ですね(苦笑)

(※)バンディットの旧型モデル。2000年にモデルチェンジした際、輸出名と同じ”バンディット”に改められた。
何度か峠も攻めてみたりしましたけど、バンク角度はこの手のリッターバイクとしては結構深く、素早い切り返しを要求されるようなコーナーでも、割と俊敏に振り返せるので、攻めるのは結構楽しいです。
ただ、「乾燥重量220kgにしては」という但し書きがつきますが(^-^;
それに標準装着のミシュラン・マカダム90Xがそういう用途にはマッチしないので、スポーツ志向のタイヤを履かせれば、また違うかもしれません。
また、どんな状況下でもシャシーのよじれ等をほとんど感じられず、また路面や車体のインフォメーションが的確なのも見逃せません。
そんなわけで、個人的にはすっかり気に入ったバンディットですが、私にとっては初のリッターバイクですので、少々良く見えすぎている傾向はあると思います(^-^;
しかし、費用対効果で言えば、リッターバイク最強と言えると思います。
スズキ製という時点で、世間的には目をひきつけにくく、そのせいかオーナーも少なく、ゆえにパーツも少なく、バンディット自体に見た目のアクセントとなるような長所もないため、やや凡庸に見える・・・ぶっちゃけて言うと「華がない」バイクではありますが、あくまでもそれはぱっと見による部分であって、実際手にとって見ていただければ、「華がない」バイクでは決して無いと言えましょう。
”最良”のバイクではありませんが、あらゆる用途に適合できる汎用性と扱いやすさで、なかなか良い仕事をしてくれるバイクです。
油冷エンジンはまもなく生産終了となりますが、もし少しでも興味がおありでしたら、是非乗ってみることをお勧めします。
空冷ほどデリケートではなく、水冷ほどクールでもなく、油冷独特のキャラクターやアクセントをぞんぶんに味わえるはずです。

oilcooldengin.JPGまた、このバイク最大の特徴と言える「油冷エンジン」も、味をより引き立たせている部分です。
このエンジン、簡単に解説しますと、基本は空冷エンジンなのですが、エンジン内部で特に熱を帯びやすい部分へエンジンオイルを直接噴射して、オイルの冷却効果を積極的に使う・・・というエンジンです。
その為、並みの空冷エンジンと比べると大型のオイルクーラーを備え、オイルポンプも大容量化されています。
また外見的には、冷却フィンが細かく刻まれていて、このフィンも、GSX-Rに搭載されたときには、開発者をして「カウルで覆ってしまうのが惜しくなるほど美しい」と言わしめた逸話があるそうです。
エンジンそのものも、低速から高回転域まで太いトルクを発生し、200kgオーバーの車体をストレスなく引っ張ります。
ただ低速が太いのも、大排気量による恩恵であって、前にも話しましたが2000rpm以下ではやや細く、このあたりは良くも悪くも、元レーシングエンジンらしいと言えるかもしれません。
また、気温やオイルの状態などによって、エンジンのコンディションがガラリと変わるのも特徴です。
おかげで、真冬はオーバークール傾向が強く、真夏になると熱ダレしまくりで、こうなると同じ回転数でも、トルクの出方がまるで変わってくるので、すっかり乗りなれた今現在でも、渋滞の真っ只中で熱を持つと、エンストすることもしばしばあります(^-^;
長所とも短所とも取れる点ですが、こういう部分が、油冷エンジンの面白さと語る乗り手が多いのも事実です。

油冷エンジンの生みの親・横内悦夫氏のトークショーの模様
http://www1.suzuki.co.jp/motor/suzukimeeting_2006/talk_03.html
油冷エンジン・スペシャルページ(スズキオフィシャル)
http://www1.suzuki.co.jp/motor/bandit_final/special/index.html

余談ですが、油冷エンジン開発者の横内悦夫氏は、GSX1100S刀も手がけた方です。
私が乗っていたのは250なので、本流とは違うかもしれませんが、横内氏の作品に2代続けてお世話になるとは思わなかったなぁ(^-^;

さすがに1200ccともなると図体が大きいし、重量も重いので、取り回したり押し回したりする場合、どうしても体力的な要素を要求される。
正直、私もその点は苦戦するかと思ったが、いざ所有してみれば、思っていたほど辛くもなく、刀に比べりゃちょっとは軽いかな?と言う程度で済んでしまった。
その点では、まずは合格。
そして、実際に街中での使い勝手はどうか?
動力性能的には、不満なぞ出ようもない。
2000以下では(リッターにしては)トルクは細く感じられるが、それでも2速発進を問題なくこなし、やや細く感じられたトルクも、3000も回せば太いトルクでグイグイ引っ張ってくれる。
一旦、トップギアで60kmくらいまで引っ張れば、多少速度落ちようがなんだろうが、5速のままで巡航は可能。
以前、CB1300SFにも乗ったことがあるが、トルクの太さの点では、CBが圧勝。
バンディットでは2000rpmより下の領域では辛そうになる場面でも、CBならものともせず引っ張るが、その代わりトルクの太さを活かしたルーズな走り方をするのが正しいようで、ギアがそれぞれ離れている。
その為、無闇にギアを落とすと、盛大なシフトショックが襲い掛かる。
CBは、トルク任せでマターリ走るのが正しいスタイルなのである。
一方、バンディットは多少ギアが近いらしく、CBほどのシフトショックはなく、ギアチェンジを駆使して走ることも出来れば、CBのようにルーズに走るのにも対応可能。
もっともこれはキャラクターの違いなので、どちらが優れているか否かではなく、各々の運転スタイルに合ったほうを選べばよいだけの話。
それからすれば、バンディットはどんな走りにも対応可能なバイク、と言えるかもしれない。
裏を返せば、中途半端・・・とも取れるけれども(^-^;

ただし、リッターバイク全般に言えることではあるが、あまりにも速すぎるのが欠点と言えば欠点。
これだけ速いと、周囲の流れの速さに、こちらが合わせる必要がある。
もっとも、そういう走りにも問題なく応えられるだけのフレキシビリティも備えている為、必要以上に神経を使うこともない。
信号の右折待ちの対向車や、左折車の死角に入ったときなど、視覚的な部分で気を使う必要はあるが、これはバイク全般に言えることだし・・・。

そういうことで、街中の取り回しに関しても、問題ないレベル。
最悪、すぐに手放すことも懸念していたが、今でも私は無理することなくバンディットに乗り続けているし、まだまだこいつであちこち行きたいと本気で願っている。
当分、リッターバイクとの付き合いは続きそうだし、この調子なら今後10年は乗れそうである。(続く)

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